ダランベール法
負けたら1ユニット足し、勝ったら1ユニット引きます。

ホイールには勝てません。広く使われるプログレッション戦略プログレッション直前までの結果に応じて賭け金を変えるルール全般。ネガティブプログレッションは負けた後に、ポジティブプログレッションは勝った後に賭け金を上げる。全文を読む →のうち、最も緩やかなものです。賭け金はゆっくり上がり、ドローダウンは中程度で、ハウスエッジはそのままです。
システムをたどる
負けるとひとつ上がります。勝つとひとつ戻ります。
賭け金と結果は、基本ベット額をユニットとした数値です。
ダランベール法の仕組みは?
1ユニットお金ユニットシステムやプレイヤーが基準にする基本の賭け金。プログレッションはユニットで記述されるので、どのテーブルにも当てはまる。全文を読む →を賭けます。負けたら、次のベットを1ユニット増やします。勝ったら1ユニット減らしますが、1より下にはしません。これだけです。シーソーを思い浮かべてください。負けるたびに賭け金の側が1目盛り上がり、勝つたびに1目盛り戻ります。根底にあるのは、勝ちと負けは釣り合うので賭け金は元の額に戻る、という考えです。魅力は、隣り合う賭け金での勝ち1回と負け1回の組が、必ず差し引き+1ユニットになることです。たとえば3を失い、4を得れば、差し引き+1です。
どんなセッションになりますか?
穏やかですが、賭け金はじりじり上がります。イーブンマネーでは負けが勝ちを19対18で上回るため、長いセッションでは賭け金が上向きに流れていきます。負けているときほど賭け金が高く、勝っているときは低いので、負けている局面の平均賭け金は勝っている局面の平均を上回ります。セッションはマーチンゲール法戦略マーチンゲール法負けるたびにベットを倍にするプログレッション。何ができて何ができないかは「戦略」セクションを参照。全文を読む →より滑らかで、ドローダウンお金ドローダウンセッション中に、バンクロールがピークからその後の底まで落ち込んだ幅。最大ドローダウンはその最大のもの。全文を読む →は中程度、崖もありませんが、平均賭け金が高い分、平均するとフラットベット戦略フラットベット毎スピン同じ金額を賭けること。あらゆるプログレッションの比較基準。全文を読む →より少し多く失います。
- p10 −$500
- p25 −$500
- 中央値 −$500
- p75 −$500
- p90 −$500
ダランベール法は有効ですか?
いいえ。勝ち負けが釣り合ったセッションは勝ちますが、セッションは釣り合ったままではいません。隣り合う賭け金でw勝l敗した後の収支は、w − lユニットに、階段のどの位置にいたかによる補正を加えたものです。w = lなら結果はちょうど+wユニットとなり、確実な利益のように見えます。落とし穴は、w = lが期待される状況ではないことです。37スピンなら、勝ちは18回、負けは19回が期待されます。賭け金が8ユニットまで上がったところでの余分な1敗は、+1の組が8つ生んだ利益より多く失います。期待値は、必然的に、総賭け金お金総賭け金セッションまたは一定期間に賭けた総額。再び賭けた勝ち金も含む。別名:ハンドル、アクション。全文を読む →の−1/37に収まります。
短いセッションがたいてい勝ち越すのはなぜですか?
釣り合った場合は、どのセッションにも当てはまる1つの規則の一部です。負けの数から勝ちの数を引いたものをDとします。1ユニットから始めるNスピンのセッションは、1ユニットのベットが一度も当たらない限り(そうした勝ちのあとでは、賭け金をそれ以上下げられません)、(N − D²)/2 − Dユニットで終わります。D = 0なら+N/2で、前の節の+wです。余分な負けは二乗で効いてきます。100スピン後、Dが4なら+38ユニットが残り、Dが8なら+10、Dが10なら−10です。偶然だけでもDは約√N、つまり100スピン後には10ほどばらつきます。ゼロホイールゼロイーブンマネーベット、ダズン、コラムのどれもカバーしない唯一の緑のポケット。ハウスエッジの源。別名:シングルゼロ、0。全文を読む →のないゲームでは、釣り合った多くのセッションの利益と、偏った少数のセッションの損失がちょうど相殺されます。ゼロは平均して37スピンごとに1回の余分な負けを加え、Dが二乗されるので、そのコストはセッションの長さより速く増えます。100スピンまでのセッションの大半は勝ち越して終わりますが、平均が勝ち越すことは決してなく、数百スピンを超えるとセッションの大半も負けます。
逆向きにしたらどうなりますか?
コントラ・ダランベール法は逆ダランベール法とも呼ばれ、勝ったら1ユニット足し、負けたら1ユニット引きます。元のシステムのちょうど鏡像です。1ユニットのベットが一度も外れない限り、Nスピンのセッションは(D² − N)/2 + Dユニットで終わります。ここでのDは、勝ちの数から負けの数を引いたものです。釣り合ったセッションは1スピンあたり半ユニットを失い、勝ちが負けを大きく上回ったときだけ利益が出ます。そのため、大半のセッションは少し負け、少数のセッションが大きく勝ちます。元のシステムとは逆の形で、平均は同じく賭けたお金の2.70%です。
ダランベールとは誰ですか?
数学者で『百科全書』の共同編集者でもあったジャン・ル・ロン・ダランベール(Jean le Rond d’Alembert)は、1754年の記事で、表が続いた後は裏が出やすくなると論じました。それは誤りで、彼の名を冠した誤謬は、ギャンブラーの誤謬の一種です。このベッティングシステムは、同じ信念を持つギャンブラーたちによって、のちに彼の名が付けられました。彼が考案したわけではなく、おそらく賛成もしなかったでしょう。
ほかのバージョンはありますか?
上で述べたコントラ・ダランベール法は、穏やかなパーレー法戦略パーレー法ポジティブプログレッション。勝ったら倍にし、負けるか3連勝したらリセットする。別名:逆マーチンゲール法。全文を読む →のように動きます。負けたら2ユニット足し、勝ったら1ユニット引くプレイヤーもいて、階段が急になり、マーチンゲール法に近づきます。どの版でも、賭けた1ユニットあたりの期待損失数学期待損失期待値に総賭け金を掛けたもの。セッションまたは一定期間に失う平均額。全文を読む →は同じです。
シミュレーター · ダランベール法
$1,000のバンクロールから始めたイーブンマネーベットの2,000セッション。
基本ベット額$10 · テーブルリミット$500 · 1セッションあたり100スピン
連敗が起こる頻度
シングルゼロのホイールでは、イーブンマネーベットは37スピン中19スピンで負けます。各行は、ある連続したスピンがすべて負けになる確率と、負けるたびに基本ベット額をひとつ分上乗せするダランベール法のプレイヤーがその時点までに失った額を示します。
| 連敗数 | 確率 | 約何回に1回 | ここまでの損失 | 次のベット |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 51.4% | 2 | $1 | $2 |
| 2 | 26.4% | 4 | $3 | $3 |
| 3 | 13.5% | 7 | $6 | $4 |
| 4 | 7.0% | 14 | $10 | $5 |
| 5 | 3.6% | 28 | $15 | $6 |
| 6 | 1.8% | 55 | $21 | $7 |
| 7 | 0.94% | 106 | $28 | $8 |
| 8 | 0.48% | 207 | $36 | $9 |
| 9 | 0.25% | 403 | $45 | $10 |
| 10 | 0.13% | 784 | $55 | $11 |
| 11 | 0.065% | 1527 | $66 | $12 |
| 12 | 0.034% | 2974 | $78 | $13 |
| 13 | 0.017% | 5792 | $91 | $14 |
| 14 | 0.0089% | 11279 | $105 | $15 |
| 15 | 0.0046% | 21965 | $120 | $16 |
確率は19/37を負けの回数だけ掛け合わせたもので、ある特定のスピンを起点に数えた値です。長いセッションには、こうした連敗の起点になりうるスピンが数多くあります。そのため、一晩を通して見ると、表の各行が示す値よりはるかに起こりやすくなります。
よくある質問
数学で頭の体操
まずは自分で解いてみてください。解答は折りたたんであるので、準備ができたら開いてください。
赤ベット赤18個の赤の数字へのイーブンマネーベット。フランス語:ルージュ(rouge)。全文を読む →で50スピンのあいだダランベール法をプレイします。1ユニットお金ユニットシステムやプレイヤーが基準にする基本の賭け金。プログレッションはユニットで記述されるので、どのテーブルにも当てはまる。全文を読む →から始め、1ユニットのベットは一度も当たらないものとします(そうした勝ちのあとでは、賭け金をそれ以上下げられないからです)。結果は27敗23勝でした。何ユニットの勝ち越し、または負け越しですか?29敗21勝ならどうでしょうか?
解答を見る
答え 27敗なら+13ユニット、29敗なら−15ユニットです。50スピンのうち2スピンの結果が逆になるだけで、28ユニットの差が出ます。
負けの数から勝ちの数を引いたものをDとします。Nスピンの結果は(N − D²)/2 − Dです。27敗23勝ならD = 4で、(50 − 16)/2 − 4 = 17 − 4 = +13。29敗21勝ならD = 8で、(50 − 64)/2 − 8 = −7 − 8 = −15です。
この規則が成り立つのは、次の理由からです。賭け金はつねに、1ユニットに、それまでの負けの数を足し、勝ちの数を引いたものです。のちの勝ちで打ち消される負けは、それぞれ組を作ります。sを失い、次にs + 1を得るので、上の表のとおり差し引き+1ユニットです。Nスピンのうち、そうした組が(N − D)/2個でき、その価値は+(N − D)/2です。残ったD回の負けは、上がっていく途中の賭け金1、2…Dで賭けられ、打ち消されることがありません。そのコストは1 + 2 + … + D = D(D + 1)/2です。合わせると、(N − D)/2 − D(D + 1)/2 = (N − D²)/2 − Dです。
すべては二乗にあります。釣り合ったセッションは1スピンあたり半ユニットを生みますが、釣り合いから一歩離れるごとに、その前の一歩より大きなコストがかかります。
赤で100スピンのあいだ逆ダランベール法をプレイします。1ユニットから始め、1ユニットのベットは一度も外れないものとします。結果は52勝48敗でした。収支はどうなっていますか? 60勝40敗ならどうでしょうか?
解答を見る
答え 52勝なら−38ユニット、60勝なら+170です。勝ちがわずかに多いだけでは負けます。大きく上回ったときだけ利益が出ます。
勝ちの数から負けの数を引いたものをDとします。Nスピンの結果は(D² − N)/2 + Dです。
52勝48敗:D = 4なので、(16 − 100)/2 + 4 = −42 + 4 = −38。
60勝40敗:D = 20なので、(400 − 100)/2 + 20 = 150 + 20 = +170。
理由:のちの負けで打ち消される勝ちは、それぞれ組を作ります。sで勝ち、次にs + 1で負けるので、差し引き−1です。残ったD回の勝ちは、上がっていく途中の賭け金1、2…Dで賭けられ、打ち消されることがありません。それらはD(D + 1)/2をもたらします。Nスピンのうち(N − D)/2個の組ができるので、合計はD(D + 1)/2 − (N − D)/2 = (D² − N)/2 + Dです。
元のダランベール法の規則の符号を逆にしたものです。元のほうでは、釣り合いが1スピンあたり半ユニットを生み、偏りが罰せられます。こちらでは、釣り合いが1スピンあたり半ユニットのコストになり、偏りが報われます。
ひと息コミック

コインの出方を間違えた数学者にちなんだ名前です。
出典
- d’Alembert, J. “Croix ou pile.”
- Ethier, S. N. The Doctrine of Chances: Probabilistic Aspects of Gambling.
- Epstein, R. A. The Theory of Gambling and Statistical Logic, 2nd ed.