ホイールの偏り
偏りのあるホイールは、フレットの緩み、ローターの不均一、ポケットの摩耗といった物理的な欠陥のために、特定のポケットに偏ります。偏りのあるホイールは実在し、実際に利用されてきました。難しいのは、完全に公正なホイールでも「ホットナンバー」は常に生まれるという点です。したがって問うべきは、ある数字がホットかどうかではなく、パターン全体が偶然で説明できる以上に偏っているかどうかです。
1. 公正なホイールからサンプルを取る
偏りがまったくないシミュレーション上のホイールから抽出したスピンです。サンプルサイズを変えて、最も多く出るポケットを観察してください。
スピン370
ポケットあたりの期待回数10.0
最多のポケット20 · 16回(4.32%)
最多と期待値の比+60% · 1.9σ
カイ二乗検定 · p32.8 · 0.622
判定偏りの証拠なし
2. 観測値と期待値
各棒はホイール順に並べたポケットです。破線は期待度数n/37です。網掛けの帯は±2標準偏差で、公正なホイールでも、偶然だけで約20個に1個のポケットがこの帯からはみ出します。
0ホイール順のポケット →26
3. カイ二乗検定
この検定は、各ポケットが期待値からどれだけ離れているかを二乗して尺度をそろえ、合計します。公正なホイールでは、この合計は自由度36のカイ二乗分布に従います。慣例として、p値が0.05未満なら有意とされます。
χ² = Σ (Oᵢ − Eᵢ)² / Eᵢ Eᵢ = n/37 df = 36
n = 370 · E = 10.00 · χ² = 32.80 · p = 0.622
n = 370 · E = 10.00 · χ² = 32.80 · p = 0.622
サンプルサイズに関する注意約1,000スピン未満では、現実的な偏りを検出する力がこの検定にはほとんどありません。また、p < 0.05の「有意」な結果は、調べる公正なサンプル20個につき1個の割合で偶然に生じます。多くのホイールを検定したり、同じホイールを合格するまで検定し直したりすれば、偽陽性は必ず出ます。
4. 必要なスピン数
あるポケットが1/37より多く出ることを、片側5%水準、検出力80%で検出するのに必要なスピン数です。37回に1回ではなく35回に1回出るポケットがあれば、プレイヤーにとって強い優位になりますが、それを確かめるには何万回ものスピンの記録が必要です。
真の出現率プレイヤーの優位必要なスピン数毎時40スピンの場合
25回に1回+44.0%1,10828時間
30回に1回+20.0%4,392110時間
33回に1回+9.1%15,747394時間
35回に1回+2.9%69,4611,737時間
方法論
サンプリング: シード固定の乱数生成器(mulberry32、シード99)で37個のポケットから一様に抽出するため、ページの結果は再現できます。
検定: ピアソンのカイ二乗適合度検定、自由度36。p値は正則化不完全ガンマ関数から求めます。
検出力: 1標本比率検定の正規近似、片側α = 0.05、検出力0.80。
範囲: 統計的な検出のみを扱います。物理的な原因と、ポケット単位ではなくセクター単位の分析についてはセクター分析で扱います。
出典
- Pearson, K. (1900). On the criterion that a given system of deviations… Philosophical Magazine, 50(302).
- Thorp, E. O. (1969). Optimal gambling systems for favorable games. Review of the International Statistical Institute, 37(3).
- Ethier, S. N. (2010). The Doctrine of Chances: Probabilistic Aspects of Gambling. Springer. Ch. 13, Roulette.